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お知らせ

バングラデシュにおけるフィナンシャル・ダイアリーズ・プロジェクト開始と、ウェビナー開催のお知らせ

一般財団法人五常(以下、「五常財団」)は、非識字者(数字が読めない人を含む)の金融リテラシー向上に取り組むMy Oral Villageがバングラデシュで展開する、Oralizing Financial Diaries Project(非識字者を対象としたフィナンシャル・ダイアリーズ・プロジェクト)とともに調査研究プロジェクトを実施します。

五常財団は、一般的な営利企業からは十分なサービスを享受できない人々の生活を向上させる革新的なソリューションへの資金提供と研究の実施をミッションに設立されました。Oralizing Financial Diaries Projectは、五常財団の活動選定基準の仮説の一つである「質的リサーチの意義: 現地訪問や深いインタビューに基づいて得られた洞察が課題解決の基点であり、データ等はそれらの洞察があってこそ意味をなす(Importance of Qualitative Research: Insights gained from field visits and deep-dive interviews are the basis for problem solving, and data is only meaningful with these insights)」を実証する事業として承認された、五常財団にとって初めての調査研究プロジェクトです。現在、本プロジェクトに賛同くださる方からの寄付を募っています。

詳細は、こちらのプレゼンテーション資料をご参照ください。

また、本プロジェクトの紹介及び五常財団によるバングラデシュの視察報告を兼ねたウェビナーを、2023年3月9日19時(日本時間)より開催いたしました。こちらのリンクよりご覧ください。

My Oral Villageについて

My Oral Village (MOV)は、2011年にイギリス人のBrett Matthews氏により創設され、読み書きのできない、また数字を数えることができないといった理由で金融包摂から排除されてきた人々が金融サービスを利用するための仕組みづくりに取り組むカナダのNGOです。読み書きのできない人々が金融サービスを利用する際のインターフェースを口頭(音声)データで完結させるために、ソフトウェア開発等のテクノロジー実装に取り組むほか、金融リテラシーや金銭管理能力を高めることを支援しています。写真や理解しやすいアイコン、ストーリー等を織り交ぜながら、Oral Information Management(口語/音声データによる情報管理)のシステムを活用して、通帳、帳簿、モバイルウォレットなどを開発しています。

フィナンシャル・ダイアリーズ・プロジェクトについて

フィナンシャル・ダイアリーズは、家計に対する詳細かつ長期にわたるキャッシュフローの調査です。家計簿の活用により詳細な家計の収入と支出、貯蓄、借入といった家計のお金のやりくりに関する情報をデジタルデータ化して分析します。家計の生活の実態や金融行動を把握してより良い金融サービスの開発に役立てるほか、フィードバックを通じた金融リテラシーの改善にも貢献します。

非識字者の金融包摂における課題

非識字者は途上国を中心に10億人おり、その多くは各国で最も所得の低い層です。これまでのフィナンシャル・ダイアリーズ・プロジェクトは、識字者を対象としており、非識字者らを対象としたものは存在していません。すべての人に金融サービスを届けるために、非識字者を対象にしたプロジェクトの実施が必要であると考えています。

本プロジェクトの狙いと概要

助成金について

五常財団は、本プロジェクトをサポートするための寄付を募っています。調達目標金額は500万円です。

形式

非識字者ら向けのツールを利用してフィナンシャル・ダイアリーズを作成し、分析、第三者調査機関によるインタビュー調査を実施し、以下の仮説を実証します。

• 字や数字が読めない人であっても、適切なツールがあれば家計簿を利用する

• 家計簿記入を始めることで、非識字者らの経済行動は変化する

• 字や数字が読めない低所得層の経済行動は他の低所得層と概ね同じである(=低所得層向けのサービス開発がそのまま非識字者らにも裨益する)

実施団体

My Oral Village (MOV)

(MicroSave Consulting及びHrishipara Daily Diaries Projectとの共同調査)

プロジェクト実施期間

約10か月

寄付のお願い

趣旨に賛同くださる方は、ご寄付受付フォームへの記入をお願いいたします。寄付金使途として「助成事業及び財団運営費に使用(50:50以外の比率をご希望の際は下記でご指定ください)」もしくは「助成事業費として使用」を選択してください。

ご寄付受付フォーム (google.com)

なお、当財団は一般財団法人ですので、個人からのご寄付の場合、所得税の申告時に寄付金控除は生じないことをご容赦ください。法人からのご寄付の場合は一定額まで損金算入することが認められています。

今後の活動報告

2023年夏ごろを目途に中間報告レポートを、2023年中に最終報告レポートを送付します。MOVの創設者であるBrett MatthewsとともにZoomでの最終報告会を行います。

何卒宜しくお願いします。

慎泰俊